今日は、第2波の終点の捕まえかたが難しいというご質問に対する回答としての解説になります。これからの戦略という解説ではなく、どうすれば良かったのか?という振り返りの解説となりますので、ご承知ください。
環境を把握する
紫色の下落のチャンネルを上に抜けてきた、緑の丸の時点で、判断としては「ここから上昇が始まるかもしれない」という環境として認識をします。とはいえ、トレードの仕掛けを準備する段階ではありません。
その後経過を観察して、その上昇が5波構成の推進波になっているかどうかを判断します。これについて、インパルス波となっている場合は、優位性が高くなりますが、ダイアゴナルでも問題ありません。
そして、この5波構成が完成した後に、下落がスタートした時点で、トレード戦略を開始します。
トレード戦略の開始
ここから具体的にトレード戦略を開始することになります。
フィボナッチリトレースメントを引く
この5波構成の推進波に対して、フィボナッチリトレースメントを引きます。
標準設定だと、このように
「0.236」、「0.382」、「0.500」、「0.618」、「0.786」の5つの比率にラインが引かれます。
この5つのラインについて、反発が起こりやすい、反転しやすいターゲットということがあります。
これを絞り込む作業が必要になります。
フィボナッチエクステンションを引く
フィボナッチエクステンションは、1点目が上昇の高値を指定し、2点目にそこから下げた最安値を指定します。そして3点目はその後に上がってきた頂点を指定します。
2つのフィボナッチの重なる線を探す
2つのフィボナッチを引いたら、その重なる線を探します。
ドル円で言えば、統計的にベストなのは、リトレースメントが0.618、エクステンションが1.00で重なる時ですが、このあたりは、通貨の特徴による部分があります。
初心者の方で、しっかりとしたポジションコントロールができない場合は、ここで重なるターゲットが見つからなかった場合は、エントリーをあきらめましょう。
今回のこのチャートでは重なることは無かったですね。
価格の誤差を考える
もしも、それが一致した場合は、価格の誤差を考えていきます。
想定したラインで反発するとしても、本当にぴったりの値になることはありません。少し行き過ぎてしまったり、少し届かなかったり、そういう誤差をトレードにどの程度見込むのか?を決めなければいけません。
その決め方としては、固定のpipsではいけません。直前に発生した推進波の全体の値幅の何%という比率的な考え方にしましょう。個人的には1%か2%にすることが多いです。この比率は、小さなようで、トレードの回数、勝率、リスクリワードを大きく左右する大切な比率になりますので、その通貨の特性によって、しっかりとした統計的データに基づいて決めましょう。
指値(IFO)の注文をする
そこまで決まったら、ターゲットとした価格の誤差の〇%分内側にエントリーの値を設定します。
そして、ターゲットとした価格の〇%外側にストップ注文の値を設定します。
リミット注文は、後からポジションコントロールで細かく調整するので、この時点では、かなり上の数値を入れておきましょう。
結果発表
結果としては、待っていたところまで戻さずに更に高値を更新していった(今回はこれですね)という場合と、想定したところで反転して制約して、現在上昇中という場合と、想定したところも超えて下に抜けていったという場合があります。
単発の反省に意味はない
ここで、どのような結果が出たとしても、単発の反省は意味がありません。
例えば、0.500で待っていたのに突き抜けられて、損失が出てしまった。なのにその下の0.618で反転して上昇していったのを見たとします。
その時の反省として、「今回なぜ、0.618にすることができなかったのだろうか?」「何か他の要素と合わせたら、0.618の判断ができたんじゃないだろうか?」という反省は、なんの意味もありません。
なぜなら相場の世界に、原因と結果の因果関係を事前に察知することは不可能だからです。
あるのは、統計的に優位性が高いかどうかだけなので、どれだけ優位性が高いシチュエーションだったとしても、負ける可能性は当たり前にあります。なので、負けた場合は、今回は結果が出なかっただけの話で、何十回と繰り返して統計的に勝てればいいのです。
とはいえ、全体ルールを変えるべきかどうか?全体ルールのパラメーターを調整すべきかどうか?という視点においては、常に反省や調整が必要になります。