トライアングルは第4波に出現

トライアングルは第4波に出現

今回の内容としては、『なぜ、トライアングルは第2波ではなく4波で出るとされているのか?』を掘り下げていきたいと思います。

正確に問題を定義すると、「エリオット波動入門」の第1章のトライアングルの記載の中で、このように書かれています。

トライアングルは常に、より大きなパターンにおける最後のアクション波に先立つところに出現する。具体的には、衝撃波の第4波、ABC波のB波、またはダブルジグザグやトリプルジグザグ、その複合型の最後のX波などである。

出展:エリオット波動入門

つまり、トライアングルのガイドラインとして

  1. 衝撃波の第4波
  2. ABC波のB波(ジグザグ、フラットを示していると想定する。)
  3. ジグザグ複合波の最後のX波

この3つの状況で出現すると言っている。


ここで明確にしておかなければならないのは、「より大きなパターンにおける最後のアクション波」とは何か?「より大きな」とは「何より大きな」と言っているのか?話題としているトライアングルよりもフラクタルな視点でひとつ大きな波動という意味ではないかと考える。文章を逆にすれば、「トライアングルの次に、より大きなパターンにおける最後のアクション波が現れる。」ということになる。そして、具体例として提示されている。①②から考えると、「第5波及びC波が」最後のアクション波であることは明確である。すると、「第1波から第5波」及び「A波からC波」というのがここでいう「より大きなパターン」という意味であろう。これらの二つは、フラクタルに見れば、当然「第1波から第5波」は、推進波の第1波、第3波、第5波、修正波のA波、C波にあたるであろうし、また、「A波からC波」は、第2波、第4波、B波にあたることになる。


次に

トライアングルはまた、以下で説明する複合的な修正における最後のアクション波のパターンとしても出現するが、一般にはそうしたときでも複合的な修正というよりは、より大きな段階のパターンの最後にアクション波に先立って現れる。

出展:エリオット波動入門

これは、新たな4つめのガイドラインであることを意味している。④複合的な修正の最後のアクション波
これは、前段と後段に分かれるが、ひとつの事象を違う方向から説明したものと解する。
前段の「複合的な修正における最後のアクション波」としても出現するということについて、これまで最後のアクション波の手前に出るとして来たが、複合的な修正波の中の最後のアクション波としてもトライアングルが出現することを意味している。次に後段の「複合的な修正というよりは、より大きな段階のパターンの最後にアクション波に先立って現れる。」これは、複合波の最後に出現することがあるが、その複合波自体が、これまで見てきたように最後のアクション波の手前に現れるという意味で解する。


そして、(以下引用)

衝撃波の第2波がトライアングルの形を取ることは、かなり珍しいようだが、一般にその原因はトライアングルが修正の一部であり、実際にはダブルスリーとなるという事実にある。

出展:エリオット波動入門

つまり、第2波がトライアングル単体としては、あまり出現することはないが、ダブルスリーの一部(最後の部分がトライアングル)としては出現するという意味で解する。
つまるところ、トライアングルのパターンは、「方向が変わる際に、そのひとつ手前の修正波として現れることが多い」という理解で良いと思われる。よって、第2波では出現が珍しいのは、第2波の次のアクション波である第3波では、大きな段階のパターンはまだ終わらないからであると言えるのではないだろうか。

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