エリオット波動のカウント方法001

定期的な観測だとわかりにくいので、ゼロベース、白紙の状態からカウントをどうやってするのかを解説したいと思います。初心者向けに丁寧に書いていきますが。エリオット波動のルールの部分については、省くこともあります。

長期のチャートで全体を眺める

まず、長期のチャートを表示させます。今回は、GOLDのチャートでカウントをしていきます。

見てみると、6/1まで上昇し、8/16まで下落し、そこから再上昇しているのがわかります。

現在の上昇の前の赤い波形が、「推進波」なのか?「修正波」なのか?の大きな2択を考えていきます。これを実際に考えるには、「推進波」には、「衝撃波(インパルス)」と「ダイアゴナル」の二つがあり、修正波には、「ジグザグ」、「フラット」、「トライアングル」、またそれらの複合があります。

エリオットカウントが複雑で難しいような印象がありますが、実際にはこの6つのピースをルールやガイドラインに当てはめていく作業的なものになります。

このように長期のチャートで、大まかに上下の波形を見つけます。

推進波なのか?修正波なのか?

次にその上昇や下落が、推進波なのか?修正波なのか?を確認していきます。

赤の下落を見てみると、このような下落→上昇→下落になっているように見えます。推進波5波構成というよりは、修正波3波構成に見えますよね。

一番可能性が高いのは、ジグザグ修正波ではないかと思います。では、ジグザグとして判断してよいのか?をフィボナッチ比率を使って確認していきましょう。

フィボナッチ比率を使ってジグザグを確認する

ジグザグのルールやガイドラインを確認したい方は、こちらで確認してください。

・ジグザグのルール

・ジグザグのガイドライン

ルール的には、ほぼ当てはまるように見えますね。ただ、C波が5波構成になっていると見ていいのか?ちょっと微妙なところですね。

では、続いてガイドラインに当てはまるのかを確認していきます。

「A波とC波がほぼ同じ長さになる」これを調べるには、フィボナッチエクステンションを使っていきます。

トレーディングビューだと、左側のオブジェクトメニューから、エリオットエクステンションを選びます。

多分、最初は「ピッチフォーク」で表示されているグループの中にあると思います。

これを選んだら、チャート上に3点を指定することになります。

今回は、「A波とC波の長さが同じくらい」になっているかを調べますので、A波はこの紫の下落の矢印ですね。C波がオレンジの下落の矢印です。角度は違いますが、値幅は同じくらいに見えますね。

フィボナッチエクステンションでは、3点を指定することになりますので、1点目は「A波の始点」つまり紫の矢印のスタート地点です。2点目は、「A波の終点」つまり紫の矢印のゴール地点です。3点目は、「C波の始点」つまりオレンジの矢印のスタート地点です。では、実際に引いてみましょう。

そうすると、このように、6本の水平なラインが引かれます。ラインの右側には、割合の数値と、カッコ内にそのレートが表示されています。これを説明します。

見えにくいですが、一番上のオレンジのラインは、「0.236(1702.02)」となっています。これは、A波の値幅に対して、このオレンジのラインは、1:0.236の比率になっているということを示しています。そのレートは1702.02ということです。

同様に、緑のラインは「0.5(1748.27)」となっていますね。これは、A波の値幅に対して、1:0.5の比率になっているということを示しています。1:0.5なので、つまりA波の値幅の半分の位置ということになります。

では、実際の値動きはどこまで行っているかというと、グレーのラインですね。ここは、「1(1665.40)」となっています。1:1ということになります。

これによって、A波とC波は同じ値幅だったということがわかりましたね。これはジグザグのガイドラインの一つですので、この修正波ABCは、ジグザグである可能性がより高いと判断できます。

ここで、この下落波形を「ジグザグ」と仮定して、その次を考えていきます。このジグザグと仮定することが、後々とても重要になります。

ジグザグの次に来るのは?

では、その次の上昇は、どんな波動を想定したら良いのか?まずは、全ての可能性を検討しながら、少しづつ波形ができていくに連れて、絞り込みをしながら、優位性のあるところでトレードをすることになります。

①推進波 衝撃波(インパルス)

一番教科書的なケースですね。5波構成のインパルス波です。

②推進波 ダイアゴナル

推進波なので、インパルス波と同じく5波構成ですが、3波が大きく伸びない点と、内部構成波動が「3ー3-3-3-3」となるところが、異なります。

③修正波 複合X波(ジグザグ)

これは、あまり聞いたことがない人もいるかもしれません。修正波の説明としてテンプレ的に使われる説明としては、「修正波は、ジグザグ、フラット、トライアングル、またはそれらの複合になる。」としています。この実は最後の部分の複合の部分です。複合については、また機会があればご説明します。ご希望の方はコメントください。

今日は、簡単にどういうことかというと、例えば、ジグザグとジグザグの複合波(ダブルジグザグ)を考えてみましょう。最初のジグザグが、下ー上ー下だとします。ここに次のジグザグをそのままつなげてしまうと、上ー下ー上となってしまうので、下落修正波のはずが、最後に上昇になってしまうことになります。

このX波は、その修正波と修正波を繋ぐための波形です。主にジグザグの波形と取るとされています。

④???????

4つ目はこれです。この前の下落の安値だった緑の破線を下に抜いて安値を更新した場合です。

これは、ありえない動きです。上にあがるはずなのに安値を更新してしまうのはありえません。しかし、実際には発生する可能性のある動きです。

「ありえない」のに、「ありえる」という矛盾した話をしていますが、もしもこの状況が発生してしまったということは、上の方でこのようなことを書きました。

ここで、この下落波形を「ジグザグ」と仮定して、その次を考えていきます。このジグザグと仮定することが、後々とても重要になります.

もしもこの状況が発生した場合は、前の波形を「ジグザグ」と仮定したことが否定されたことになります。

正直、よくある話です。最初からこの4つを想定しておくことが実際のトレードではとても重要です。なぜならパニックにならないからです。パニックとは、想定外のことが起きた時に発生します。メンタルを強く持たなくても、全ての出来事を想定内にしておけばいいのです。

そして、想定できるということは、事前に全てのケースになった場合の対応を考えておくことができます。今回のケースで言えば、①②③の可能性が高いとして「買い」でトレードをすることに優位性があると感じます。しかし優位性があるだけで、絶対ではないのです。自分の持ったポジションを信じて、撃沈する必要はありません。このあたりまで下げたなら、これは④のケースが高いと判断すれば、それは損切るだけの作業です。凹む必要はありません。逆に、④のケースになって損切りになるのは耐えられないと考えるならば、そもそもここでエントリーしてはいけません。もっと優位性の高い状況が来るまで待つべきです。

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