ダブルトップの罠と勝つための方法

今回は、有名な「ダブルトップ」に潜む落とし穴について、初心者の方がハマらないようにするために、ダブルトップとは何なのか?そして、最後に有効な使い方を解説していきます。ダブルトップで解説していますが、トリプルトップやダブルボトム等も同様な考え方で大丈夫です。

ダブルトップは相場の反転シグナル?

こんばんは。よく「ダブルトップは、相場が反転する合図だ」というのを本やネットで見るのですが、これは本当なんですか?

これですね。確かによく言われますよね。そして、実際に使ってみると、うまくいかないというのもよく聞きますね。

そうなんです。なかなかうまくいかなくて

では、チャートを見ながら確認してみましょう。

チャート検証

このチャートは、AUD/USDの少し前の実際のチャートです。確かにダブルトップが出現して上昇トレンドから下降トレンドに転換をしています。そして実際にこのチャートだけでなく、トレンド転換のタイミングでダブルトップは出現しています。

じゃあ、なんでうまくいかないのでしょうか?

そうですね。それがダブルトップに仕掛けられた罠なんです。このチャートをもう少しよく見てください。

このチャートには、実際にトレンド転換する前の位置でもこのようにダブルトップが出現しています。実際にこの右側がなければ、きれいなダブルトップ出現に見えていたはずですね。

そうすると、ダブルトップのよく言われるセオリーで、ダブルトップの谷の部分の価格を超えた時点でダブルトップを判断して、緑の丸の部分で売ったとすると、安値をつかまされて、ダブルトップを超えたオレンジの丸の部分で損切りしないといけない状況になっていたと思います。

ダブルトップの真実とは?

ダブルトップの真実をお伝えします。デリケートな表現になるので、少しゆっくり読んでもらえると助かります。

『トレンドの転換点にダブルトップが出現する可能性がかなり高い』

これは確かに正解です。しかし同時に

『ダブルトップが出現するとトレンドが転換する可能性がかなり高いわけではない』

ということです。

ダブルトップの真実は、前者なのです。しかし、これを勘違いしてトレードしてしまう方が多いです。

わかりやすく例えると、「100m走の入賞者は、身長が高い選手が多い」これは事実だと思います。じゃあそこで、あなたが大学のスカウトマンだったとして、高校を回って身長の高い人をスカウトして、平均身長180cmのチームをつくったとしても勝てません。それは、「身長が高いからといって、100m走が速いとは限らない」からです。

この例で言えば、そんなの当たり前だと思われるでしょうが、ダブルトップでも同じなのですが、なかなかそれが当たり前に見えずに、「ダブルトップ出現、よしトレードだ!!」と考えてしまう方が多いのが事実です。

じゃあ、ダブルトップでは勝てないのですか?

そんなことはありません。「トレンドが転換する可能性がかなり高い」わけではありませんが、優位性は有ります。



ダブルトップで勝つ方法

では、ダブルトップを使って勝つ方法を2つお伝えします。

谷間の浅い山を狙う

世の中、谷間は深いほどいいという価値観がありますが、ここでは谷間の浅いダブルトップを狙うことで優位性が上がります。勝率の部分ではなく、リスクリワードの部分が上がります。

ダブルトップの形成を確認してからエントリーする手法です。やり方はセオリー通りです。価格がネックラインとなる谷の安値を下に抜いてきたときに、売りのエントリーをします。

このセオリーの手法では、損切りラインは、二つの山の高値の少し上に置きます。しかしエントリーラインは、この谷間の深さによって違います。

谷間が浅ければ、エントリーから損切りまでの値幅を狭くすることが可能となり、リスクが小さくなりますので、リスクリワードが上がります。

逆に谷間が深ければ、エントリーから損切りまでの値幅が広くなってしまい、リスクが大きくなりますので、リスクリワードが下がります。

え?そんなことでいいんですか?

自分のこれまでのダブルトップで取引したトレードを見直してください。勝率、勝った時の平均利益、負けた時の平均損失、資産の増減を確認したら、その中から谷間の深いトレードをしなかったとしたら、どうなっていたかを確認してみてください。
かなり優秀な成績に変わると思いますよ。

直前のダイアゴナルを確認

これは、エリオット波動を使用している人しか使えませんが、状況としては、第5波の終点を狙うことになります。

第3波の終点が最初のトップになります。その後第4波の終点が谷間になります。その後、第5波でエンディングダイアゴナルが形成されたのを確認します。そこからの下落を確認したら、ダイアゴナルの内部構成波動の第4波の終点、上の図の青色の点線を下に抜いた時点でエントリーします。損切りラインは、セオリー通りに2つの頂点の上に置きます。

この方法の優位性は、通常のセオリーのネックラインを抜ける前にエントリーを行いますので、損切りラインまでの値幅が狭くなるので、リスクリワードが上がります。

見切り発車の担保として、第5波の相場の転換点で発生しやすいエンディングダイアゴナルを利用した手法となります。

注意点

ただ、誤解のないようにしていただきたいのは、世の中に必勝法はありません。聖杯は相場の世界にはありません。相場の世界での勝てる方法というのは、このやり方を100回とか200回繰り返せば、5割以上に優位性があるということです。その5割以上に優位性のある手法を使って統計的に勝てるようになるのが、成功トレーダーの姿です。

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