損切りのためのマインドセット

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師匠…先週大きく負けてしまいました。資産の3割が飛んでしまいました。

どんなことがあったのですが?

実は、ポンド円のロングを持っていたのですが、どんどん下がってしまって、怖くなって損切りをしなきゃいけないと思ったのに、下がりすぎて…どこかで戻るとお祈りしていましたが、どうにもならなくて

損切りの注文入れていなかったのですか?

最初は、入れていたのですが、近くなるとずるずると動かしてしまって

では、今回は損切りのための心構えについて解説しましょう。

なぜ損切りできないのか?

なぜ、損切りをできないのか?

損切りをするということは、損失を確定することです。でも、実際にはなかなかそれが最初の頃は難しいものです。

「もしかすると、あと少しで反転するかもしれない。そして、元にもどればその損失はなかったことになる。」といった思いから、ついついせっかく入れた損切り注文を取り消してしまったり、ついつい動かしてしまったり。

おそらく最初のきっかけはこのような思いからだったのではないかと思います。

でも、時としてその判断が上手くいくこともあります。これが本当に難しい麻薬のようなものです。この上手くいった記憶は鮮烈に脳に刻まれます。

すると、次に同じような状況になった時にも、「また戻るかもしれない。もしも戻ったら、ここで損失を確定させてしまうのはもったいない」という感情に支配されてしまいます。そして、何度かは救われます。

しかし、その先にはもっと深い闇が待っています。それは、もう切るに切れない程の大きな含み損になったしまった時です。ここで損失を確定させてしまうと、何十万円の損失となってしまう。

「あぁ、もっと損失の少ない時に、損切しておけば良かった」と思っても、もう後の祭りです。

最初に損切できなかった人がここで損切できるはずはありません。ここでできるのは、もう神と仏に祈ることだけです。

そして、運が悪ければ、そのまま全ての投資資産を失い、FXという戦場から去っていくことになります。

この状況は、多くの方が実際に体験しているものです。もしも、心当たりがある場合も珍しくありません。

今回は、このような状況を回避するための考え方、マインドセットについて解説していきたいと思います。

損切りとは、「参加料」である

新規で買うことや売ることを「エントリー」と言いますよね?

そもそもこの「エントリー」とは、どのような意味なのでしょうか?「マラソンの大会にエントリーする」とか「就職活動で、エントリーシートを書く」とか使いますよね。エントリーには、「参加する」という意味があります。

では、相場でエントリーするとは、何に参加するのか?

それは、「利益を得られる機会(チャンス)に参加をする」ということです。

相場の世界で言えば、チャートを眺めているだけでは、特にお金を取られることはありません。しかし、利益を得られるチャンスを見つけた場合には、相場に参加しなければ何も得ることはできません。

でも、相場に参加するには、入場料がかかります。それが損切りなのです。

エントリーする時には、「想定される利益」と「取ることのできるリスク」と「成功する可能性」の3つについて、考えていると思います。いわゆる「リスクリワード」と「勝率」です。相場で成功していくためには、常にこのことを考えていなければいけません。

この中で、「想定される利益」と「成功する可能性」は、自分ではコントロールできません。唯一コントロールできるのが「取ることのできるリスク」です。

つまり、この参加しようと思っているチャンスにどれだけのリスクを参加料として払うことができるのか?それが損切り注文ということになります。

なので、必ず損切り注文は、エントリーと同時にしなければなりません。正確に言うのであれば、エントリーの位置よりも損切り注文の位置が決まるのが先であるべきです。

そして、エントリーの位置は、多少ずらしても大丈夫ですが、損切り注文の位置は動かしてはいけません。(損失を減少させる方向に動かすのはOKです。)

正しい損切りの位置とは?

では、正しい損切りの位置について解説します。これについては、絶対的な正解があります。

それは、「上がる(下がる)と思った根拠を否定される位置」です。みなさんいろいろな手法を使われていると思いますが、どんな手法でも同じです。

自分がエントリーするための背景や理由があると思います。例えば、「20MAにタッチしたら反転上昇する」でもいいですし、「サポートラインで反転上昇する」でもいいですし、「ダウ理論の安値切り上げと高値更新」でもいいでしょう。

これらの理由が否定される位置に、損切り注文を置くことが正解になります。

「20MAにタッチしたら反転上昇する」という理由でエントリーするのであれば、この20MAの少し下に必ず損切り注文を入れなければなりません。そこで、「いや、やっぱり次の抵抗となる100MAまで保留しよう」としてはいけません。なぜなら「100MAにタッチしたら反転上昇する」と思って買うのであれば、その位置ではエントリーしないはずです。もっと下の方でエントリーしたはずです。

つまり、エントリーするには、必ず理由や根拠が必要となります。そして、同時にその理由や根拠が否定されてしまう値動きがあります。損切り注文は、その否定される位置に置かなければなりません。

そして、エントリーは、その損切り注文からできるだけ近い位置で行うことが正解です。

そんなことを言っても常にそんな都合のいい位置でエントリーすることはできないかもしれません。では、エントリーが遅れてしまって、その損切り注文から離れてしまっていたら、どうすればいいのか?それは、エントリーをやめることです。

なぜなら、損切り注文というのは、「参加料」です。損切り注文の位置からエントリーが離れてしまっているということは、その参加料が高くなってしまっているという事です。しかも、損切り注文の位置から離れてしまっているということは、想定する利益についてもその分減少してしまっているということです。

常にこれを意識しなければいけません。

損切り注文は、「参加料」です。そして、その参加料が高いか?安いか?については、エントリー位置と損切り注文の位置がどれだけ近に比例することになります。

そして、損切り注文を入れないというのは、無制限のリスクを背負って相場に参加することになります。

相場で成功するための上達は、決して上下を当てられるようになることではありません。損失を抑えて利益を伸ばすようにすることが上達のルートです。

損失を抑えるためには、高い「参加料」で相場に参加しないことです。しっかりと自分の使う手法でチャンスを見極めて、割安な「参加料」で相場にエントリーしていけば、必ず資産は増えていきます。

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