ポジポジ病の治し方

皆さんは、相場の世界で初心者がかかりやすい恐怖の病「ポジポジ病」を知っていますか?今回は、ポジポジ病の原因とその治し方について、解説していきたいと思います。

ポジポジ病とは?

チャートを見ていて、急な値動きがあったりすると、ついつい買ってしまうんです。もっと最悪なのが、それで負けたりすると、それを取り返そうとしてトレードを繰り返して、気が付くと口座の残高が半分になったりして、そのときは後悔して、反省するんだけど。また同じことを繰り返してしまうんです。もしかして病気なんじゃ?と疑うこともあります。

そうですね。それは・・・病気です。

やっぱり・・・

それは、相場に入った初心者の大半がかかる「ポジポジ病」という病気です。

ポジポジ病の原因は?

初心者の頃は、どうしても「FXで稼ぎたい」という思いが前面に出てしまうため、SNSで他の方が利益を出した話を見たり、チャートが急騰や急落をしたりするのを見ると、「自分もあの時に買っておけば〇〇万円儲かったのに」という深層心理から、ポジションを持たないことで、利益を得る機会と逃しているような気持ちになってしまい、ついついポジションを持ってしまう病気です。

つまり、目の前にある「利益を得られるかもしれない」という機会の損失に対して、何もしないことにストレスを感じてしまう事から起きる病気です。

しかし、実際には、「損失を出してしまうかもしれない」というリスクも同じようにあるのですが、そこには目を向けることができないのです。

これは、プロスペクト理論という理論で実証されています。

プロスペクト理論とは?

1000人が参加するビンゴ大会で、参加費が1,000円です。1等は80万円の商品券です。
参加しますか?

1,000円で80万円がもらえるかもしれないなら、もちろん参加しますよ。

みなさんの回答は、どうでしたか?これが簡単なプロスペクト理論の構図です。

人間は、不確実な状況でものごとを判断する時に、その結果に利益や損失につながる場合、事実と異なる非合理的な意思決定をしてしまう傾向が高いというものです。

この理論では、人間は意思決定において「価値関数」と「確率加重関数」の影響を受けるとしています。

確率加重関数とは

確率が低いときには、それを過大評価し、確率が高いときには、それを過少評価する傾向があるのです。

上の例でいうと、1,000円の参加費で8万円がもらえるかもしれない。実際の当選確率は、100分の1なのでわずか1%です。合理的な判断をするのであれば、10万円以上もらえなければ、割に合いません。それでもその低い確率を過大評価してしまい。自分は当たるかもしれないと感じてしまうのです。

合理的に見たら勝てる確率が低いにも関わらず、それでも「自分は勝てる」と確率を過大に評価して、エントリーをしてしまうのです。

(価値関数については、別の機会で説明します。)

ポジポジ病の特効薬は?

実は、ありません。

「だって、にんげんだもの仕方ない」というのが結論です。じゃあ治らないのかと言われるとそうでもありません。自然治癒します。人により個人差はありますが、必ず治ります。

この理論は、不確実な状況下の意思決定における人間の非合理的な判断というものなので、その判断を毎日毎日積み重ねていくことで、エントリーをする状況というのが日常的で当たり前となり、「不確実な状況」でなくなる時が来ます。(勝ち負けとは別の問題です)

ただ、多くの人が確実に治るにも関わらず、治る前に相場の世界から去っていきます。その理由は2つです。

資金が尽きてしまうこと

ポジポジ病の恐ろしいのは、冷静な判断を取り戻す前にどんどんと資金を減らしてしまうところです。そうして口座残高がみるみる減少し、相場から去ってしまうのです。

ポジポジ病になってしまって、ポジションを持っていないとストレスで落ち着かない人は、トレードのサイズを小さくしましょう。1000通貨や100通貨にしましょう。

そんなんじゃ買っても大して儲からないと言われるかもしれませんが、ポジポジ病になっているうちに安定して勝てることはありません。トレードサイズを大きくして背水の陣で臨む必要もありません。

また、もうひとつの効果として、この「大して儲からない」という感覚が大切なのです。

先ほどの例でサイズを小さくしてみましょう。

100人が参加するビンゴ大会で、参加費が10円です。1等は800円の商品券です。
参加しますか?

うーん、800円ですか、10円の参加料なら、1,000円以上は欲しいですね。

そうなんです、利益が出るかもしれないという時の利益の大きさに応じて、プロスペクト理論は強く働いてしまうのです。だから、天文学的に確率の低い宝くじでも何万円と購入する人が多いのは、億単位の賞金により、多くの人が合理的な判断ができなくなっているからです。(宝くじの制度を否定するつもりはありません。)

心が折れてしまうこと

もうひとつの理由は、勉強しても、寝る間も惜しんでチャートを見たり本を読んだりしても勝てなくて、燃え尽きて心が折れてしまう場合です。特に経営者として成功していたり、社会的に活躍されている方に多い症状です。

これは、仲間をつくりましょう。リアルでもいいし、ネット上でもいいです。同じような立場で切磋琢磨する仲間や、困った時や、こころが弱った時に手を差し伸べてくれる師やメンターを探しましょう。

そこでは、恥ずかしがらずに、自分の失敗を打ち明けられる仲間でなければなりません。見栄を張らずに、そしてお互いがお互いのために、言葉を交わしあう仲間を見つけてください。

準備万端

トレードサイズを小さくして、トレードの仲間ができたら、もう準備万端です。

もう好きなだけ失敗してください。ポジポジ病を気にする必要もありません。我慢せず好きなようにトレードをしましょう。そして、しっかりと反省をしましょう。それでもポジポジ病が治らなくて、失敗しても大丈夫です。また、同じ反省を繰り返しましょう。

何回も何十回も失敗していけば、そのうち失敗しない方法を身につけます。

自転車に乗れた時

逆上がりができた時

スノボに乗れた時

失敗の中であきらめなければ必ずできるようになります。

ポジポジ病にならないことは不可能です。

初めての自転車で転ばないで、乗れるようになることがないのと同じです。

転んだ時のケガを少なくして、立ち上がるための手を取ってくれる人がいれば、絶対に克服できます。

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