ローソク足のヒゲはカウントする?

こんにちは、今回はローソク足の実体とヒゲの扱いについて、少し掘り下げて考えてみましょう。

実体とヒゲ、その微妙な関係

皆さんはローソク足の「実体」と「ヒゲ」、どちらを重視していますか?実体は始値と終値の間の動きを示し、ヒゲはその時間内の最高値と最低値を表します。一見すると、実体の方が「重要」に見えがちですよね。だって、そこには実際に取引が集中している場所が映し出されているわけですから。

しかし、エリオット波動理論を考慮すると、話は少し複雑になります。なぜなら、この理論では市場の心理学的な動きを捉えることが重要だからです。それを考えるには、そもそもローソク足がどのような仕組みで書かれているのかを一緒に見ていくことにしましょう。

こちらのローソク足を見てください。

なんとなく、Aの方が値動きが大きいように見えますね。

そうですね。5のローソク足が並んでいますが、Aは、赤いローソク足で大きく下げて、最後の1本で大きく戻していますね。

これは何が違うのですか?

いえ、実はこれは同じ値動きをローソク足で表示させたものです。
AとBの元になったチャートを上下に並べて表示してみますね。

折れ線の部分が実際の値動きとなります。ローソク足というのは、「一定の期間の始値、終値、高値、安値」をローソクのような記号で表示させるものというのは理解できていますよね?

はい、知ってます。あれ?同じ値動きなのに、どうしてAとBはローソク足が違うのでしょうか?

これは、AとBでは、ローソク足を作成する期間が少しズラしてあります。

同じ値動きなのに、ローソク足を作成する期間の区切りによって、見え方が随分かわるんですね。

実体かヒゲか?

では、実際に相場を分析する時に、どちらを重視するのが良いのでしょうか?株の日足については、前日の値動きについて影響を受ける部分があると思いますが、24時間連続するFX相場においては、ローソクの実体である始値と終値というのは、特に重要視する必要は無いと思います。

みなさんの中でも、直近の高値の価格や、安値の価格を注意して見て分析に使用する方はいると思いますが、今日の始値がどの価格だったかを覚えている方は少ないと思います。

特に、エリオット波動理論やフィボナッチ比率を利用したパターン認識を使われている人においては、高値だったり、安値だったりの位置の比率を分析することがあると思いますが、これは必ずヒゲで行うべきであると言えます。

なぜなら、同じ手法で分析するにも関わらず、チャートのタームフレームを変更すれば実体部分の価格は変わってしまうわけです。そうすると、実体の価格に基づいて比率を計算して、ターゲットを推定する場合において、タイムフレームを変えると、ターゲットの価格が変わってしまうというのは、おかしな話です。

今日のまとめ

ヒゲの重要性の再認識

トレーディングの世界では、しばしばローソク足の実体部分だけに焦点が当てられがちです。しかし、エリオット波動理論を深く理解し、実践するには、ヒゲを含めたローソク足の全体像をしっかりと把握することが不可欠です。ヒゲは、市場の感情の揺れや、価格の拒否点を示唆しており、これらは波動パターンを解読する上で貴重な手がかりとなります。

時間枠を超えた一貫性

エリオット波動理論は、そのフラクタルな性質を持ちます。異なる時間枠で見たときにも、市場の波動が一貫したパターンを示すことが多いのです。この一貫性を見落とさないためにも、ヒゲを含めた全体的な価格動向を考慮に入れることが重要です。

総合的な分析の重要性

ローソク足の各部分—実体とヒゲ—を分離して考えるのではなく、それらを一つの統合された情報源として捉え、総合的に分析することが求められます。これにより、エリオット波動理論の枠組み内で、より精度の高い予測が可能になります。

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