落ちるナイフを掴むのは危険?

落ちるナイフを掴むのは危険?

よく相場の格言として、「落ちるナイフはつかむな」と言われますよね。急落中に逆張りすると危険という話ですね。自分は、個人的にはリスクとリワードで言えばそこまで危険と感じていませんし、よく使う手法でもあります。ただ、初心者ボンさんの話を聞いて、なるほど危険と言われる所以がここにあったのかと感じることがありました。今回は、その危険性と危険回避のマインドについて、説明していきたいと思います。

初心者ボンさんからの相談

ドル円相場で、上昇トレンドがスタートしたと思って、下落の押し目を何度も拾おうとしたんだけど、その度に損切りとなってしまい、これ以上はマズイと思って、PCの電源を切ったんだけど、次の日にチャートを見たら、予想どおり上がっていて、やり切れない。

そうですね。111.64から修正波で下落していた中で、108.72からの上昇の勢いが強く、レジスタンスラインを上に抜いていますので、上昇トレンドがスタートしたと想定するのは、いいと思いますよ。どこでエントリーをしたのですか?

108.72から110.80に、フィボを引いて、38.2%の110.00で負けて、50.0%の109.76で負けて、61.8%の109.51で負けて・・・
結構、自分的には自身があったので、取り返そうとしてポジションを段々大きくしたら、資産の4割を失いました。

わかっちゃいるけど・・・症候群

これは、中級者の方でも陥る「わかっちゃいるけどやめられない症候群」です。中級者になると、自分なりのスタイルもできて、「ここなら勝てる!」と思う場所とかあると思いますが、その自分の想像が相場に否定されたことに納得がいかなくて、ついついポジションを追加してしまうことがあります。

これは、「ここで相場が反転するだろう、チャンスだ」という期待からくる人間のどうしようもない本能みたいなものです。利益を得るチャンスを失うことに対して過大なストレスがかかるプロスペクト理論です。 なので、これをやめるためには、強い鉄の意志を持つとかメンタルを鍛えるとか聞きますけど、そんな解決策は、ほとんどの人が無理なんですよね。じゃあ、どうするのかというと、「ここは大したチャンスではない」と感情が理解することが必要となります。そうは言っても、チャンスに見えてしまうのが厄介なところですが、エリオット波動を学んでいるみなさんであれば、「確かに」と思ってもらえることを説明したいと思います。

第2波は、必ず来る。そしてかなり戻す

エリオット波動を実践的に使うときに本当に役立つ知識は、これなんじゃないかと思う時があります。ポジションを持って、利益を伸ばしたいと考えて、自分がポジション持っている時は一直線に爆上げを期待したりしちゃいませんか?でも、そうはならないですよね。

相場が反転して、第1波ができたとしたら、必ず第2波の戻しがやってきます。しかも、ガイドライン的には、61.8%の戻しとなることが多いとされています。

確かに、第2波が結構もどすことは理解しています。

じゃあ、もしも第1波のスタートでうまく買えたとします。どこまで利益を伸ばしたいですか?

うーん。それは、やっぱり第5波が終わるまで持つのが理想だけど、第3波で妥協するかも。

例えば、第1波の完成時点で、含み益が10万円出ていたとします。第3波の完成まで待つには、第2波の下落を想定しないといけないですよね?10万円の含み益が、3万8千円まで下がりますけど、第3波が必ず来ると期待して持ち続けられますか?

半分以下に減るのは、ストレスですね。それなら、第1波が完成した時点でいったん利確します。その後で、第2波の終点でもう一回買えば、第3波の値幅を取ることができるので。

落ちるナイフを掴む必要はない

そうなんですよね。落ちるナイフを必死でつかんだとしても、結局は第2波でかなり戻されるので、リスクの割には、あまり優位性が無いんですよね。

「落ちるナイフは、危険だけども大きな利益が見込める」と勘違いして、つかもうとする人が多いのですが、実際には、「落ちるナイフは、危険だし、大して儲からない」ということを、この第2波の戻しという視点で考えれるようになると、メンタルを鍛えたりせずに、自然とつかみにいかなくなる気がします。

わかりました。じゃあ、次の第2波の終点を61.8%戻すと想定して、そこで買っていきます。



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